現金預金取引

現金の収入は現金勘定(資産)(Cash Account)の借方に、その支出は現金勘定の貸方に記入する。 現金を受け取った時、または他に渡した時には、仕訳帳および総勘定元帳への記入のほか、現金の収支の明細を記録するため、補助簿である現金出納帳(Cash Book: C/B)にも記入する。

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現金勘定にはズレが生じる。こうした場合はとりあえず現金過不足勘定(Cash over and short account)で処理しておく。 その後も決算日までに原因がわからなかったときはその金額を雑費(Miscellaneous expense [expenditure])(費用)または雑益(収益)で処理する。 当座預金口座に現金や他人振出小切手などを預け入れたときは当座預金勘定(資産)(Current account)の借方に記入し、小切手などを預け入れたときは貸方に記入する。 当座預金の残高を超えて一定限度までの支払いをしてもらう契約を当座借越契約(Overdrafts contract with banks)、一定限度額を借越限度額(Overdrafts limit)という。 預金残高を超えた引き出し分が当座借越(Bank overdraft)である。当座借越の処理には当座借越勘定(負債)(Bank overdraft account)を用いる方法と当座勘定(Current account)を用いる方法とがある。 当座預金の預け入れや引き出しを行ったときは取引銀行別に当座預金出納帳(補助簿)(Bank book)に記入する。 即応するための手元に用意しておく現金が小口現金(Petty cash)といい、その増減を記録するための勘定を小口現金勘定(Petty cash account)という。 小口現金の管理方法として定額資金前渡法(Imprest System)がとられることがある。 用度係は小口現金の支払い明細を小口現金出納帳(Petty cashbook)に記入する。

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商品売買 Commodities trading

商品売買の処理には分記法を使う。実際に多く用いられるのは3分法(Three-way classification)である。 ここでは商品売買の処理において@仕入勘定(費用)(Purchase account)、A売上勘定(収益(Trading account))およびB繰越商品勘定(資産)(Merchandise inventory account carried over)の3つの勘定を用いる。 仕入の際に引取運賃や運送保険料など、仕入にともなう諸費用、これらを仕入諸掛(Petty cashbook)とい受け渡しの際に荷造費や運賃などを支払った場合、これらの費用が売り手側の負担するものであれば発想費勘定(費用)の借方に記入して費用として処理する。 3分法では分記法のように個々の商品の売上時に商品売買を計算するようなことはせず、期末に一括して売上総利益を計算する。売上総利益は以下の算式により求められる。

売上総利益=純売上高−売上原価

売上原価=期首商品棚卸高+純仕入高−期末商品棚卸高

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仕入れた商品に何らかの欠陥があった場合などには、仕入先から値引きを受けることがある。 この値引きを仕入値引(Purchase Allowance)という。 また返品される場合がある。仕入戻しだ。 仕入高と仕入戻し高は仕入高の減少項目であるから、仕入勘定の貸方に記入する。 仕入勘定の借方に記入されている仕入値引高・仕入払い戻し高を差し引いた の総額を総仕入高といい、借方の仕入高から貸方に記入されている売上高の総額を総売上高残高を純仕入高という。 仕入値引・仕入戻しを売り手側からみたものが売上値引・売上戻りである。 売上勘定の貸方に記入されている売上高の総額を総売上高といい、貸方の売上高から借方に記入されている売上値引高・売上戻り高を差し引いた残高を純売上高という。

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仕入帳(Purchase book)は商品売買の明細を記入するための補助簿である。

仕入帳の総仕入高=仕入勘定の借方合計

仕入帳の値引・戻し高=仕入勘定の貸方合計

仕入帳の純仕入高=仕入勘定の借方残高

(Sales book)とは企業が経営活動を行うために所有している現金(Cash)・商品・建物・備品(Equipment)などや、商品を掛けで販売したり(Account receivable)、取引先の企業に現金を貸し付けたりしたときに生ずる債権などをいう。

仕入帳(Purchse book)は商品売買の明細を記入するための補助簿である。

売上帳の総売上高=売上勘定の貸方合計

売上帳の値引・戻し高=売上勘定の借方合計

売上帳の純仕入高=仕入勘定の貸方残高

商品有高帳(Stock ledger)は、商品の増減および残高の明細を記録する補助簿である。 商品の金額の決め方には先入先出法(First-in first-out method)と移動平均法(Moving-average method)がある。

売掛金と買掛金 Receivable and Payable

掛取引によって生じた売掛金・買掛金を処理する勘定が売掛金勘定(資産)(accounts payable)と買掛金勘定(負債)(accounts receivable)だ。

売掛金および買掛金の明細記録のために用いられる商店名等の勘定を人名勘定(personal account)という。

一般的には総勘定元帳に売掛金勘定・買掛金勘定を設けて売掛金・買掛金の総額を明らかにすると同時に、売掛金元帳(得意先元帳)(Accounts receivable ledger)と買掛金元帳(仕入先元帳)(Accounts payable ledger) という補助簿(補助元帳)を作成し 、これらの帳簿に取引先ごとの人名勘定を設ける。 得意先ごとの売掛金残高をまとめた明細が売掛金明細表(Account Receivable Subsidiary ledger)といい、買掛金についても同様に 買掛金明細表(Account Payable Subsidiary ledger)が作成されることがある。

売掛金などの債権を回収できなくなることを貸倒れ(a bad debt)という。その場合の金額を貸倒損失勘定(費用)(bad debt loss accounts)の借方に記入するとともに売掛金勘定の貸方に記入して売掛金を減額する。 売掛金などの債権には貸倒れになる危険性がともなうので決算にあたり、過去の貸倒実績率に基づいてその予想額を見積もり、貸倒引当金(Allowance for doubtful accounts)を設定する。 貸倒引当金(Allowance for doubtful accounts)の設定にあたっては次期以降に生ずるおそれのある貸倒れについて、その原因が発生している当期の費用として計上する必要があるため、 貸倒引当金繰入勘定(費用)(Allowance for doubtful accounts)の借方にその予想額を記入するとともに、貸倒引当勘定の貸方に同額を記入する。 売掛金などの債権には貸倒になる危険性がともなうので決算にあたっては、過去の実績率とうに基づいてその貸倒の予想額を見積もり、貸倒引当金(allowance for loss on bad debts)を設定する。 これを実績法という。 貸倒引当金の設定にあたっては次期以降に生ずる恐れのある貸倒についてその原因が発生している当期の費用として計上する必要があるため、貸倒引当金繰入勘定(Excess allowance for loss on bad debts)の借方にその予想額を記入する とともに貸倒引当金勘定の貸方に同額を記入する。 決算時において貸倒れの見積もりよりも貸倒引当金勘定残高の方が多い場合には、すでに貸倒引当金が過大に設定されていることになるので、貸倒引当金残高が貸倒れの見積り額を超える額だけ貸倒引当金を減額するとともに貸倒引当金戻入額(Reversal of allowance for loss on bad debts) 過年度に貸倒れとして処理した売掛金の一部または全部が、当期になって回収される場合がある。この場合、回収額を償却債権取立益勘定(収益)(Bad debts recovered)の貸方に記入する。

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その他の債権と債務 Other credit and debt

他人に貸し付けたときに発生する債権を貸付金(Loan receivable)といい、銀行などから金銭を借り入れたときに発生する債務を借入金(Loan payable)という。 金銭を貸し付けたときは貸付金勘定(資産)(Loan receivable account)を設け、貸付額を借方に、回収額を貸方に記入する。また、金銭を借り入れたときは 借入金勘定(負債)(Loan payable account)を設け、借入金を貸方に、返済額を借方に記入する。

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企業の経営活動によって生じた債権・債務は売掛金勘定・買掛金勘定で処理するが、主目的でない取引によっても債権・債務は発生する。これを未収金(Accounts due)・未払金(Accounts payable - other)という。

例えば不要になった備品を売却し、その代金のうちに未回収分があるときは、未収金勘定(資産)(Accrued credit account)を設けて借方に記入し、回収したときに貸方に記入する。 また、備品を購入してその代金のうちに未払分があるときは未払金勘定(負債)(Outstanding account)を設けて貸方に記入し、支払いをしたときに借方に記入する。

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支払った手付金を前払金(Advance payment)といい、受け取った手付金を前受金(Advances received)という。 手付金を支払った側では前払金勘(資産)定(Advance payment account)を設けて前払額を借方に記入する。実際に商品を仕入れたときに前払額を前払金勘定の貸方に記入する。 手付金を受け取った側では前受金勘定(負債)(Advances received account)を設けて前受額を貸方に記入し、実際に商品を売り渡したときに前受額を前受金勘定の借方に記入する。 取引先や従業員のために一時的に金銭の立替払いをすることがある。このような債権を立替金(Advances paid)という。 また、一時的に金銭を預かった場合の債務を預かり金(Deposit) という。 この立替金(Advances paid)は金銭を貸し付けた場合の貸付金と区別する。

一時的に金銭を立て替えたときは立替金勘定(資産)(Advance account)を設けてこの借方に記入し、一時的に金銭を預かった場合には預かり金勘定(負債)(Deposit received account)を設けて貸方に記入する。

その時点で相手勘定(借方側)または金額を確定できない場合、この内容または金額が未確定な現金の支出を仮払金(Suspense payments) という。 また現金収入はあったものの、その時点で相手勘定(貸方側)または金額を確定できない場合、このような内容または金額が未確定な現金収入を借受金(Deposit received)という。

百貨店などが商品券を売ったときは後日これと引き換えに商品を引き渡す義務が生じ、商品券勘定(負債)(Gift tickets account)の貸方に記入する。 商品券と引き換えに商品を渡したときは商品券勘定の借方に記入する。 他店商品券は、その商品券を発行した企業に対する債権を意味するため、商品の売却時に受け取ったときには他店商品券勘定(資産)(Other gift shop account)の借方に記入し、他店と決済を行ったときに貸方に記入する。

手形 Bill

手形には手形法上、約束手形(略して「約手」ともいう)(Promissory note: P/N)と為替手形(略して「為手」ともいう)(a bill of exchange or a draft) がある。 約束手形(Promissory note: P/N)の場合、振り出した側は振出人(手形の作成者)となり、受取る側は受取人となって、受け取る権利(手形債権)ができる。 手形の債務は支払手形(負債の勘定)、債権は受取手形(資産の勘定)で処理を行う。受取手形勘定(資産)(Notes receivebale accounts) と支払手形勘定(Notes payable account)である。

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一方、為替手形(a bill of exchange or a draft) は手形作成者(振出人)が引受人(名宛人)に対して指図人(受取人)に手形金額を支払い期日に支払うように依頼する証券だ。

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約束手形や為替手形の所持人はその手形を支払期日(満期日)まで所有せずに、仕入商品の代金の支払いなどに使う場合があり、これを裏書譲渡(transfer by endorsement)という。

こうした商品売買などの商取引によって振り出される手形を商業手形というのに対して、金銭の貸し借りにあたって、借用証書代わりに約束手形や為替手形(自己宛為替手形または自己指図為替手形)が振り出されることがあるが、 これを金融手形(Accommodation bill)という。

有価証券 Securities

売買目的で有価証券を購入したときは、その取得原価を売買目的有価証券勘定(資産)(Securities held for trading purposes)の借方に記入し、 後日、これを売却したときは、売買目的有価証券勘定の貸方に取得原価で記入する。 売価が取得原価を上回れば有価証券売却益勘定(収益)(Profit on securities sold)の貸方に記入して処理し、下回れば有価証券売却損勘定(費用)(Loss on sale of securities) の借方に記入して処理する。 なお、有価証券の取得原価には買入金額に証券会社に支払う手数料などの付随費用を加えた金額だ。

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